HOME 税理士の方へ 国際部レポート 2001年 中国視察報告書 Ⅲ.中国税制・投資環境について

Ⅲ.中国税制・投資環境について

~ジェトロ駐在員及び日本大使館参事官の講演より~

はじめに
平成13年11月22日午後、中碩華税務事務所を訪問した後、ジェトロ駐在員の住田安彦氏及び日本大使館参事官の波多野敦彦氏よりご講演いただいた。 以下、講演の概要を報告する。なお、この講演には国税庁北京事務所・藤田一志氏、大使館経済部二等書記官・首藤良明氏が同席した。

《住田安彦氏のプロフィール》
JETRO〈日本貿易振興会〉北京センター(代表処) 海外投資顧問(海外投資アドバイザー)
丸紅より出向
20年近く中国・台湾に滞在し中国語にも堪能
コーディネーターの内田俊彦会員からの紹介「ジェトロの中に商工会議所とは一味違う中小企業連絡会という組織を作って、日系企業のために、その要になって頑張っている。」

《波多野敦彦氏のプロフィール》
日本国駐華大使館勤務
経済部参事官
通産省から出向(通産省から北京大学に派遣留学の経験がある)
波多野名誉団長のご子息


[1]住田氏の講演内容

1. 海外投資アドバイザーの仕事の概要

中小企業連絡会という組織を中国につくりたいと考えている。契約では後1年であるが、出来ればもう少しこの仕事を続けたいと思っている。
まず本論に入る前に、私がやっている仕事の概要を簡単にお話させて頂きたい。 私の仕事は名刺に書いてあるように、アドバイザーということで中小企業事業団からの予算で東南アジア各国に約10名、 中国には重慶にもう一人いて、2名で中国をまわっているという状況である。
やっている内容は大きく分けて三つあり、(1)日本企業の中国進出の支援、(2)現地日本企業の事業の円滑化、(3)中国企業のいろいろな問い合わせ・サービスに対する回答をしている。

(1)日本企業の中国進出の支援

日本企業の中国進出支援では、中国の投資環境について聞かれることが多いが、私の管轄は、北京、天津、河北省、山東省、西の方の陜西省の西安である。 100以上はあると思うが、開発区―工業団地―の状況の問い合わせや諸手続き等、合弁が良いのか独資が良いのかという相談、あるいは最近よくあるのは、 貿易、投資をする前に、こちらで委託生産をしたい、あるいは、先に貿易から始めて日本企業に対して中国側のパートナーを見つけてくれないか等々、諸々にわたって相談してくる。 ここ2週間だけでも、ステンレスの鋳物を作りたいので、どこか探してくれ、それから、アメリカ向けに輸出するのにキャスター用の車輪を買いたい、 あるいは、食品用のラップやクラフトペーパー(荷造りするときに使う最後に貼るもの)をどこか探したい、ということで、 我々としてはいろいろな人に聞いたり、なんとかして一番良さそうな企業を紹介するということをやっている。
中国には、現在日本企業が2万社以上登録されていて、そこの合弁企業や独資企業ではかなりいろいろな物を生産している。 したがって、そういう企業の紹介なら安心して推薦出来るが、最近の傾向としては、そういうところではなく、もう少し安い中国の企業から買いたいというような要望がある。 チョッとこれは、まだまだ中国の企業は、今、物作りの緒についたばかりで、納期の管理とか品質にバラつきがあるということもあって、 必ずしもお薦めできないが日本企業の方で中国人を雇って万全な体制を整えているから大丈夫ということであれば、 採算ベースに乗るかどうかという判断のもとに、中国企業を紹介する場合もある。

(2)現地日本企業の事業の円滑化

既に中国に進出している日本企業の円滑化の支援では、各企業がどんな悩みを抱えているか、どんなことをやろうとされているのか、常に把握しておく必要がある。 そのため、中国各地にある日本企業を訪問して、経営よろず相談ということで、1社1社面談し、いろいろな話を伺いながら、 我々で解決できることは解決していくという方針でアドバイスをしている。 それ以外で私のところに来られる方で、代金の回収が出来ないで困っているという相談がある。中国の会社は大きな会社ほど物を買っても金を払わない。 遅らせるわけである。こちらの企業は絶対うちは払わないとは言わない。待ってくれ、待ってくれでそのうち1年、2年すぐ経ってしまう。 この代金回収が非常に大きな問題である。この件については内田先生にお願いしてある筋を使って回収を図る。 中国は人脈の国だから、あるところを押さえると、これは払わなければ遺憾なということになる。 我々が直に行って座り込んで待っていても誰も払ってくれない。 どうせ外国人だし、外国企業だというのでたかを括っているので、やはりこちらには先ほど中碩華の方がおっしゃっていたが、 中国人は中国人で、ある程度やらないと、外国人だとどうしても限界がある。 労働問題にしても、こちらのリーズナブルな弁護士に頼んで処理してもらうというようなことをやっている。

(3)中国企業のいろいろな問い合わせ・サービスに対する回答

中国企業への情報提供、これが一番件数的には多い。中国もいろいろなものを作っていて、その材料を日本から買いたいとか、製品を日本に売りたい、 あるいは、日本に投資をしたいというような会社も結構たくさんある。 我々は帝国リサーチのデータベースを持っていて、日本の企業の、どんな業種とか規模の企業を探しているのかを聞けば、大体こういうところがあるという回答ができる。 また、インターネットで検索することもできるし、更にはジェトロでいろいろな商品のマッチングというようなビジネスもあり、 売りたいものと、買いたいものをネットでお互いに探してあげて、それを紹介して取引の円滑化を図っている。 それ以外に、中小広報、ジェトロセンター、中国経済という刊行物に、時折記事を書いて中国のいろいろな町の行事を紹介するというような仕事もしている。

2. 中国への投資概況

中国への外資の投資実績であるが、一番最初に出ているのは2001年9月末現在。 これは資料の中にはどこにも入っていないが、外資企業の日華ベースの件数としては累積で、382,930社である。 金額では契約ベース(まだ実行されていなくて契約しただけ)の累積で7,260億ドル。 これは今年1年ではなく、この20年の累積の数字である。7,260億ドルの中でどれだけ実行されているかというと、3,810億ドル(半分くらい)である。 次に図表-1をご覧頂きたい。2001年の1月から9月、この9ヶ月間の契約ベースの受入れ件数は前年同月比、去年の1月から9月に比べて18.1%増の18,575件となっている。 契約金額は30%増の493億5千万ドルである。実行金額は20.7%増の322億ドルとなっている。 この数字は93年から94年(前回投資ブーム)以来の投資ブームになっていることを示している。 その原因としては4つほど考えられるが、 イ.第一はまずWTOである。 これは、ほぼ2年くらい前から、いつ入るか、いつ入るかということで時間の問題ではあったが、WTO加盟は、ほぼ確実になってきたということで、 中国の大きな市場へのアクセスが容易になることへの期待感である。 ロ.中国政府自身もWTO加盟に備えて、いろいろな法規制の国際基準にあわせた諸施策を急いでいて、 従来より進出企業から大きな不満があった行政の不透明感に対する外国企業の不満が払拭されて期待が広まった。 ハ.2000年の前年対比31.5%という驚異的な貿易の伸びである。 2000年度は非常に貿易が伸びたことから中国も競争力の高さが、かなり認識されてきた。 特に安くて優秀な労働力もあって、中国はますます、世界の工場というような認識になってきた。 ニ.4番目には、この前の投資ブームである95年に契約されて、95~96年に工場が大体創業してきているが、 ここにきてやっと経営も安定してきて今後、既存工場の拡張とか再投資ということが考えられる。

(1)主要国・地域別直接投資状況(2000年実行ベース順)〈図表―2〉

主要国・地域別直接投資状況について図表―2をごらん頂きたい。2001年1月から6月までの数字を見ると実行ベースで、ほとんどが増加していて、先程述べたように実行ベースで20%位になる。 個別にみてみると、香港は1.8%伸びている。中国への海外投資が始まってから、香港はずっと1位になっているが、段々、香港のシェアは下がっていて、 ここには99年からしか載っていないが、この4年間ずっと毎年下がってきていて今や36%くらいである。その次に躍進が目覚ましいのがアメリカで49.6%伸びて いる。それから、これは税とも関係があると思うが、タックスホリデーのバージン諸島が第3位で66.9%前年同期よりも実行ベースで伸びている。 その次は、日本で27%、それから台湾となっている。次のシンガポールは前年同期よりも減っている。それから韓国、これは62%伸びている。 英国は、前の年が結構伸びていたので、今年は減少している。それからドイツは71%と同様で、タックスホリデーのケイマン諸島は3.5%伸びている。 あとフランスは下がっている。先ほど述べたように、4番目に位置している 日本は、96年、97年は2位。98年になって21%ダウンしている。そのときにアメリカが20.3%逆に伸びた為、抜かれて日本は3位になっている。 その後、さらにダウンして今年は4位になっている。

(2) 進出形態(出資・業種・投資先)別の企業数と出資額

出資形態別は、図表―3(その1)を見て頂きたい。出資形態別の企業数と出資額というのがあるが、 ここでおもしろいのは独資(100%外資企業のこと)の企業数が約49%伸びていることである。 全部足すと20,727社あるが、そのうち11,470社、55%は独資企業である。独資企業の出資金額は約185億ドルで、前年比、約98%増となっている。 投資金額全体に占める比率も約58%である。  次に業種別の企業数と出資額(図表-3(その2))の表であるが、業種別では、新たに登録されたこの20,727社のうち、 製造業が32.6%増加、シェアでは、件数別では72%出資額も186.9億ドルということで約58%を占めている。 その中でも一番多いのは電子・通信設備。これが49.7億ドル。他の産業に比べて電子・通信設備は非常に伸びている。 逆に伸び率でいうと、WTO加盟をにらんで、第3次産業が非常に勢いがあるということで、金融保険は非常に件数(企業数)が少ないが、6倍になっているし、 あと、交通運輸は出資額が4.8倍になっている。社数はまだ278と少ないが、第3次産業が伸びている。 それから投資地域別では、沿海部が全体の9割。図表―4にあるが、沿海部と内陸部に分けてあり沿海部がおよそ9割を占めている。 内陸も最近は政府外開発戦略というので、政府もいろいろ外資優遇の効果を期待している、ということもあって、パーセンテージとしては27%ほど伸びている。 沿海部では、金額的には広東省が2000年度はまたトップの位置に立っていて、99年は江蘇省がトップだったが、広東省がもう一度ということになっている。 特徴的なのは、ここに天津・北京があるが、天津は122.5百万ドル北京は98.6百万ドルということで、河北省にかなり新たな進出が増えてきているということが判る。

(3) 日系企業に関する各種アンケート調査結果
① JETROの日系製造業に関するアンケート

ジェトロが去年の10月に行ったアンケート、日系製造業に関するアンケートで、2000年の営業損益見通しはどうかという項目があるが、73%が黒字と答えている。 これは全部で30%くらいの有効回答率で580社中、73%が黒字という回答である。
ASEANとそれほど遜色がなく、今後の事業の展開に向けて、規模拡大ということを回答した企業が72%あり、これはインドの77%に次いで多かったということである。

② 全信連(信金中央銀行)のアンケート

もうひとつ99年の全信連、今は信金中央銀行になっていると思うが、ここのアンケートで興味深いものがあるのでご紹介したい。 信金中央銀行の得意先だからそんなに大きな規模のところはないと思われるが、アンケートによると、海外に進出している企業1591社のうち41%の655社が中国に進出しているということである。 その他の国はどうかというと、アメリカが158社、香港137社、タイ104社、マレーシア80社、台湾79社ということで、大体アメリカの4倍近くの日本企業が中国に進出している。 中国に進出している中小企業が非常に多いということがこれで理解できる。

③ 国際東洋銀行のアンケート

国際東洋銀行が、去年アンケートされた中で、今後周期的に、例えば3年程度の有望な事業の展開先としてどこを選ぶかという項目があったが、 中国だという答えが、大体5割、242社有り2位以下を大きく引き離している。また、特徴的なのはASEAN4ヶ国(ASEAN4)、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピンの数字を合わせたものより、 上回っているということである。ずっと長いこと中国が1位にランクされていたが、このASEAN4を足したものには及ばなかった。 しかし、2000年度にはこれを達成している。そして、具体的に投資計画を持っている会社、183社のうち126社がもう既にこちらに進出していて、 これから企業の拠点を活用して拡張あるいは再興しようとしており、あと残りの57社が新規投資をしたいという結果になっている。

3. 質疑応答

(1)最近の外資系企業の中国に対する投資額や進出企業の推移は、(投資形態別やあるいは業種別に)どのようになっているのか。 また、WTO加盟により、これらの推移を今後どのように予想しているのかお聞かせ下さい。

<回答>
資料の差込みの文章に大体書いてあることと、傾向としては先取りで2001年の1月から6月の、それから1月から9月の、先程申し上げたような傾向で推移していくということで、しばらくはこういう状況が続くのではないかと、ただ、今、同時不況になってきているので、特に9月11日以降は、鈍化せざるを得ないのかなという気がしている。

(2)7年前に訪中したときの視察報告の中の資料によると、「今、日本の企業が続々と中国に進出しているが、合弁企業の契約期限は15年だそうである。15年経ったらどうなるのか継続可能なのか、又は解散するのか、まだまだ予測不可能な部分も多い。・・・政変や法律の改廃などでいつの間にか投資法制が変わり、気がついたら日本の経営権はなくなるといった、国有化やしのびよる収用の危険にさらされる事もあるのではないだろうか」といった危惧の念を抱く投資家、経営者は多いと思われるが、WTO加盟後はその点は払拭されるのか説明して頂きたい。

<回答>
合弁契約よりも独資のほうが増えてきていて、50年などの期限になってきているし、問題は1980年代に契約期限を迎えているところがある。契約したときは15年や20年が多かったが、その契約期限がきているところもあるし、もう直ぐ来るというところもあるが、今、聞いているところでは、それほど契約期限で揉めているという話は聞かない。ですからそのまま延長になっている場合も多いし、最近はむしろ増資をしたり、または伸ばしておられる。増資をするときに中国側のポーションを低くして日本側の、それまで50%だったものを80%にするというようなところもあるので、ものすごく揉めているというのはあまり聞いておりません。国有化されたというのも聞いておりませんし、むしろ良い方向にきているのではないかという気がしている。中には撤退したいというところも、もちろんあるとは思う。

<関連質問>
中国はよく人治国家という風にいわれて、WTO の加盟によって人治国家から法治国家に移行していけるだろうかと、その辺がポイントかなという感じがしているがどうでしょうか。

<回答>
人治国家の本質のところはなかなか変わりにくいと思うけれども、法律の整備はどんどん進んでいる。中国自身もあまり人治、人治といわれると、片腹痛いというか、出来る限り努力して払拭しようとしていると思われる。

(3)税務執行にかかわる問題について、乱収費とは何か説明して頂きたい。

<回答>
乱収費とはいってみれば、国で決めたもの以外の寄付の要請とか臨時の行政から要求のある出費のことをいっているのだと思う。

<関連質問>
裁量権に基づいて地方政府が、やや法律を逸脱する、すれすれくらいのところで例えば延滞税なども乱収費というものに入るのでしょうか。

<回答1>
ちょっと違うと思う。税務署からの延滞税を掛けてくるのは乱収費とはいいません。費用を税の名目を使って徴収していたが、いまは撤廃している。それを乱収費といっており税金では無い。

<回答2>
昨日の新聞にも載っていたが、北京の経済開発区は、いろいろな行政費用を今までとっていたが、これをほとんど50%以上撤廃するというようなことが載っていたし、段々乱収費も少なくなってきているのが現状である。

<関連質問>
税収の少ない分を乱収費でカバーするようなことはないか。

<回答>
法律で規制されている。
税務当局もいってくるのが恥ずかしいわけである。堂々とはいって来ない。払う理由はないし、きちんと断れば普通は訴えられたら困るからもう二度といってこない。向こうも恥ずかしげにいってくるから、それは断る。ただ、納得がいかないということだと思うが、ある程度地域貢献みたいなものがあって、ケースバイケースで自分の会社の地域社会へ貢献し、利益還元するということを、ある程度は考えたほうが良いのではないかという気はしている。もちろん法律では何も決まっていません。

(4)われわれ税理士の顧問先が中国に海外進出及び海外投資する場合における諸手続き・注意点等について説明して頂きたい。

<回答>
中国への進出形態に独資である100%外資と合弁での25%以上の外資による場合があって、100%外資は経営もすっきりして良いが、ただ欠点は、今政府が認めていない業種があるわけである。たとえば、ここで美容院を開きたいとか、食堂を開きたいといっても、これは開けないことになっている。業種によるから、その辺を事前に調べてやることと、目的にあった、たとえば中国の国内で販売したいというようなことであれば、ある程度中国側との連携も必要だから良いパートナーを見つけてそこを使って販売すると、日本人が販売するわけにはいきませんので、目的に合わせて、場所とかどこに置くのか上海が良いのか北京が良いのか、そういうことも含めて、目的に合わせてやるほうが良いのかなと思う。そして、製造業の場合には、最初から中国の販売だけを目的に出てくるのは、ちょっと難しい。というのは、お金をなかなか払ってくれませんから、日系企業を相手にする場合には良いが、中国の地場の企業とか人に売りたいという時には、注意したほうが良い。私共が良く申し上げているのは、製造業の場合だと、最初は輸出できるように余ほど良い商品を持ってないと、こっちで売ったら、売れると簡単な気持ちで来られると多分苦労するでしょう。世界に通用するといったら語弊があるが、中国国内が目的でも、しばらくは、日本に輸出できるようなやり方をされたほうが良いのではないでしょうか。

<関連質問>
中国国内をマーケットと考えるような商売のやり方だとちょっと難しいでしょうか

<回答>
最初からそのようなやり方だと難しいでしょう。ただ日系企業とか、外資相手だったら良いけれど、中国のお客さんを相手にするのは難しいと思う。まず投資をするのも最初は委託加工をさせるとか、貿易から入っていくということで、ステップバイステップでやられるほうが良いだろうなと言う気がする。

<関連質問>
各都市の賃金の上昇率を記載した資料によると大体、年率10%くらい上昇するようだが、政府の方で賃金を決定してくるのでしょうか。

<回答>
政府が決めているのは最低賃金だけである。最低賃金は全額決めているが、あとは大体自由価格、公務員以外は市場価格で決まっている。名目賃金上昇率は、たとえば、北京とか上海だったりするとIT産業とか極端に高い部分があるからこういう感じになっているがワーカーあたりではほとんど変化はない。(年に10%)私の感覚ではそんなには上がってない。

<関連質問>
これが、あと3年とか5年経過するとかなり重要な意味を占めてくると思われるが如何でしょうか(賃金上昇率が一番問題なので)。

<回答>
例えば、IT産業で中国にソフト開発で新規参入してみたいとか、そういう方がものすごく気をつけなければいけないのは、半年経ったらガラッと変わっている。1年前のFS(企業化調査)でそのまま出てこられたら、完全に目算が違う。たとえば今、オフィスがたくさん建っているけれども、良いオフィスがほとんどみんな上がってきてるから、それに伴って人件費も上がってきている。マイクロソフトやIBNなど外資との競争になるから、人材確保ということで、どんどん高くなってきている。ただ、普通の中間管理職以下のところはそんなに、まだ上がってはいない。ワーカーに関しては南の広東省などはもう5~6年の間ほとんど上げたことがありません。というのは、ずうっと回転しているからである。給料を上げてくれと言われたら、いや上げられませんと、では、あなたは来なくて結構ですという感じだから、従業員もまず言わない。ということである。

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