米国調査研究視察報告

東京税理士会国際部長・調査研究視察団副団長 粕谷 幸男

調査研究視察概要

  1. 10月4日から10月12日まで、国際部では、米国の税務専門家制度等の調査研究を行うため、 視察を実施した。調査研究視察団は、小越副会長を団長、高屋米国班チーフリーダーを事務局長として 総勢35名で構成され、コーディネーターは、当部委員で米国公認会計士の資格を持つ小見山満氏にお 願いした。
  2. 本調査研究の目的は、一つには、米国の税務専門家がパートナーシップ、契約、報酬、職業賠償 責任保険、税務援助及び研修等をどのように行っているのかを具体的に把握するため、資料等を 収集・分析し、わが国のそれと比較することにある。もう一つには、今後わが国に連結納税制度 が米国をモデルとして導入される際の実務上・税制上の問題点を探ることにある。
  3. いま何故米国の税務専門家についての調査研究なのか。このことに対する答は、二つある。第一 は、米国の対日貿易障壁要求にある自由職業サービスの実態把握である。第二は、規制緩和によ りわが国の税務専門家が抱えている問題や将来わが業界に起こり得る問題に対して、米国の税務 専門家は、どのように対処してきているのかを調査することにある。後者は、米国の知恵を学び 再評価することにある。それは、米国の模倣ではなく、米国が問題解決に取り組んだ解決の仕組 みや考え方、対処の仕方を学ぶことによって、税理士会の施策に役立たせるための資料を提供す ることにある。
  4. 本報告書のスタイルは、各執筆者に任せ、統一していない。各テーマ毎に報告が完結するように 構成しており、また、同じテーマについても別の角度から記述している部分もあるが、お許しい ただきたい。
  5. 資料の翻訳については、著作権者の了解を得るようにしたが、それは本報告書を作成するためで あり、書籍を出版するために著作権者の了解を得たものではない。そのため、本報告書の日本文 を引用するときには、原典を確認するとともに、翻訳者の了解を得て、ご自分の責任でもってお 願いしたい。また、翻訳文を有料にて出版することについては、著作権者の許可を受けておらず、 許可を要することをご承知おきいただきたい。
  6. 本調査研究視察は、移動日及び土日休暇を除いて、9時から5時までの間、講演を中心に調査研 究を行う非常にハードなスケジュールであったが、全員欠けることなく大変熱心に取り組まれた。
  7. 今回の米国調査研究視察にあたっては、小見山氏から多大な尽力を賜ると共に、長島信男米国公 認会計士(米国在住)による献身的なコーディネート、NP通信社によるコーディネート、JTB及び事務局職員 による積極的な準備の取り組み、団員の熱意と協力、本会の理解があってこそ実現できたことで ある。ここに改めて謝意を表する次第である。
  8. 米国現地での調査内容は別掲のとおりである。
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