3.アメリカの現状

(7)専門家責任賠償保険制度の実態 注21

注21 セントポールでは、その保険契約の適用対象(カヴァー)項目として、適用時("When This agreement Covers")、本契約で保護される人("Who Is Protected Under This Agreement")、カヴァー限度("Limits Of Coverage")が挙げられるとともに、免責条項("Deductibles")、除外項目("Exclusions-What This Agreement Wont't Cover")についても説明がなされている。

*専門家責任保険を付けずに業務を行なうことを、アメリカではゴーイング・ベア(going bare)、すなわち「裸で行く=無防備で行なう」というそうである。

①専門家責任賠償保険契約の適用対象損失

セント・ポールが対象とする登録代理人(E.A.)の保険適用損失(loss)には、先にも紹介したとおり、次のふたつがある。

  • 専門家サービスの提供の結果としての損失。
  • この契約の有効期限内になされた不法行為に基づく損失。

セント・ポールでは、本保険契約がこれらふたつの損失をカヴァー(cover)注22するとしている。順を追って説明する。

注22 カヴァーという言葉も訳しにくいが、上述の「損失」をはじめ、「期間」、「範囲」、「人」、「限度」、「免責金額」等を対象として含んだ包括的な保険適用関係を指すものと思われる。

A:専門家サービスの提供の結果としての損失。
繰り返しになるが、セント・ポールは、上述の「専門家サービス」を次のように定義する。

「専門家サービスとは、被保険人すべてによって或いはその人のためになされる、次に挙げる能力者のそれら専門家サービスをいいます。

  • 登録代理人(E.A.)、記帳担当者、税務申告書作成者
  • 公証人

すなわち、被保険人が他人に対し提供したサービス、および被保険人が受けたサービスが、ここでいう「専門家サービス」となる。登録代理人の提供サービスも「専門家サービス」である。

そして、登録代理人(E.A.)の意義については、「登録代理人、記帳担当者、税務申告書作成者とは、次に挙げる被保険人をいう。」として、次のとおり列挙している。

  • 税金について助言する人
  • 税務申告書を作成する人
  • 税務申告書を提出する人
  • 税務申告手続きを代理する人
  • 次に挙げる事項に基づいて財務データ資料を収集・作成・組立てする人
  • 一般に認められた会計原則(いわゆるGAAP)
  • 一般に認められた税務会計原則
  • 内国歳入庁税法ガイドライン
  • その他包括的会計基準
  • 会計記録中の領収書の元帳転記、支出、調整をする人
  • 子会社記録に対する会計行為を突合する人
  • 正確性とコード付けのため書類を点検する人
  • 固定資産台帳を管理する人
  • 賃金台帳を管理し、従業員の賃金を記録し、賃金台帳を作成し、あなたの関与先のためにそれをチェックする人
  • あなたの関与先のために請求書や会計諸表を点検し、関与先の基金からこのようなアイテムの支払いのために作成する人但し、小切手の署名は除く。
  • サービス、コンサルタント、注文、配送を行い、コンピュータのハード、ソフトの利用に際してのインストールや訓練、さらにはあなたの関与先への供給に関することを行う人。

*「専門家サービス」⇒「(専門家)」⇒「登録代理人、記帳担当者、税務申告書作成者」⇒「該当者」という順序で定義付けをしている。しかも「登録代理人、記帳担当者、税務申告書作成者」の行なう業務が大変広範である。「専門家とは何であるか」より「何をすることによって引き起こされた損害か」ということを重視していると解する所以である。

**セント・ポールは用語に厳格であり、全体を通じ大変多くの定義が示されている。
興味深いのは、公的資格として概念が定まっている筈の登録代理人についてまで、保険の立場からする独自の定義付けをしており、その範囲が広いことである。

そこで債務不履行の前提となる「契約(agreement)」の意義について見ると、次のように定義している。

「契約とは(保険証券の)表題部に記載された証券期間内で効力を持つ、この付保された契約("this insuring agreement")をいう。」

簡単な定義付けなので明確さを欠くが、ここにいう"agreement"とは、登録代理人(E.A.)が顧客と締結した契約のことを指すものと思われる。すなわち、登録代理人(E.A.)と顧客(納税者)との間の契約に保険を付保し、当該契約に基づくも債務につき不履行があった場合、これから生じた損害について保険するということである。

B:この契約の有効期限内になされた不法行為に基づく損失。
続いて、「不法行為」について見てみよう。
セント・ポールは、「不法行為(wrongful act)」につき、瑕疵(error)、不作為(omission)、懈怠行為(negligent act)、広告侵害(advertising injury)、人的侵害(personal injury)をいうとする。
瑕疵、不作為、懈怠行為は説明を要しないが、広告侵害と人的侵害については若干説明が要る。
「広告侵害」とは、E.A.の広告中のアイデア、材料、スローガン、スタイル、タイトルの不正使用による侵害のことを指すとする。
「人的侵害」については、次に挙げる違反いずれかによって引き起こされた侵害をいうとしている。

  • 誤認逮捕、拘禁、投獄。
  • 不当訴追。
  • 占有している居室・住宅・土地への不法侵入、あるいはこれらからの不法な立ち退き要求。
  • 誹謗ないし中傷。
  • 製品、その他の半製品ないしは完成品につき、書面ないし口頭をもって非難的言辞を流布すること。
  • すべての人ないし組織に、書面ないし口頭をもって、個人のプライバシー権を侵害する材料を流布すること。

我々日本の税理士に該当しそうな不法行為は、敢えていえば「瑕疵」であろうか。「不作為」、「懈怠」も場合によってはあり得るが、「広告侵害」は、広告が制限されている日本の現状ではあり得ないであろう。「人的侵害」は想像しにくく、そもそも列記事項を見ると、これは立派な犯罪行為=刑事事件であって、民事の側面から見ても税理士業務の「専門家サービス」を通じて発生する不法行為の事象ではないように思われる。なぜ、これらの行為に基づく損害が「専門家責任」として取り上げられ保険の対象となるのか、残念ながら理解できない。
ところで、不法行為に基づく損失で気になるのは、それが登録代理人(E.A.)の他人に与えた損失をいうのか、それとも登録代理人(E.A.)の被った損失をいうのかがはっきりしないことである。制度の趣旨から考え、おそらく前者を第一義に考えているのであろうが、他人に損失を与えた結果、登録代理人自身が被る(賠償などの)損失ということもいえるので、厳密には考えていないのかも知れない。

②損失を補填する保険内容

もう少し具体的な話に進もう。
やはり渡米に先立ち検索したTaxInsurance.com(URL=http://www.taxinsurance.com/prod-serv.asp)の「内国歳入庁監査代理("IRS Audit Representation")」が注目される。これは監査防御保険会社(Audit Protection Insurance=API)の出している保険商品である。
内容を見ると、内国歳入庁(IRS = Internal Revenue Service)の監査結果に保険がつけられているようである。すなわち、一定の保険料を支払えば、IRSの監査によって指摘された追加本税(additional tax注23)の支払いが保障される。例えば、年収100,000ドル(=12,000,000円、120円/ドル換算)以下の人向けのプランでは、67,00ドル(=8,040円、同換算)の保険料を支払うと、券面額上2,500ドル(=300,000円、同換算)まで保険金で追加本税が支払われ、納税者自身の代理専門家(your own tax professional to represent you)にも保険金が支払われる(券面額20%まで。但し、詐欺の場合は除く。)ものとされている。しかも1回の保険料支払いで4年間の申告がカヴァーされるという。
原文自体が簡略なうえ制度の理解が十分でないため、その仕組みがすぐには理解できないが、いうところの"tax professional" が登録代理人(E.A.)を指すのであれば大変参考になる。そこで試みに"tax professional"を検索すると、NATPと称するサイト"Welcome taxprofessionals.com"が見つかった。これは"National Association of Tax Practitioners"の略であり、そのメンバー表を見ると、CPAを名乗る者、E.A.を名乗る者、C.T.P.を名乗る者、肩書きのない者等、様々である。すなわち、広く"Tax Professional"という場合、これは"Tax Practitioner"のことを指し、これには登録代理人(E.A.)も入るのである。"IRS Audit Representation"にいう"tax professional"がこの"Tax Practitioner"と同じであれば、紹介されている保険は納税者自身の代理専門家(your own tax professional to represent you)として登録代理人にも適用される。

注23 参考:追加本税(Additional tax)、延滞利子税(interest)、加算税(penalties)、源泉所得税(withholding tax)

*ここで注目されるのは、納税者自身の保険金額の上限が金額で画されているのに対し、代理専門家は券面額20%までとされていることである。券面額如何では、納税者自身の受取り保険金額より代理専門家の受取り金額のほうが大きくなる可能性がある。この趣旨は何であろうか。

ところで、保険といえば当然保険料率のことが気懸かりとなる。上記の引用で若干知ることができるがもう少し詳しく理解するため、先に紹介したアメリカ公認会計士協会の「会計専門家責任保険プログラム(the Accountants Professional liability Insurance Program)」の例をお目に掛けよう。
プログラムのひとつ、CPAバリュー・プランが提示する"Coverage Features"によれば、次のとおりである。

「制限額の選択(Choice of Limits)
CPAバリュー・プランは、賠償請求(クレーム)毎の限度とより高い年度合計限度とを包含した責任オプションの限度をご提供いたします。責任限度有効額は:注24

注24 左側が賠償請求(クレーム)1件についての上限額、右側が年間上限額と思われる。4行の区分は分からないが、保険料の負担区分の可能性もある。

100,000ドル/ 250,000ドル
250,000ドル/500,000ドル
500,000ドル/1,000,000ドル
1,000,000ドル/2,000,000ドル

免責条項の選択(Choice of Deductible)
3つの総計免責条項の選択が有効です:0ドル、1,000ドル、5,000ドル。注25

注25 意味が取れない。

賠償請求(クレーム)経費(Claim Expenses)
責任限度とは別に賠償請求(クレーム)経費が適用対象とされます。分離平等政 策(分離されながらも平等な(separate but equal))注26 の上限があなたの防御に対応する費用として提供されています。注27

注26 黒人と白人の分離はするが、教育・乗物・職業などで差別をしない政策のこと。
注27 「賠償請求(クレーム)」の内容が明らかではないが、上述の制限額とは別枠で提供される保証と思われる。

さらに、CPAプランのプレミアー・プランでは、保険料率の競争力を誇る次のような宣伝文言も見られる。

「CNA注28の引受け経験は、本プランに対し、主として人員規模と年間総売上に基礎を置いた、より競争力ある料率をご提案することができます。」

注28 CNAは、AICPA専門委員とAICPA従業員を含むPLIP委員会(Personal Liability Insurance Program)が提携するCNAインシュアランス・カンパニーのグループ中核会社CNAフィナンシャル・コーポレーションの登録済サービス・マークであり商業名である。

ここからは、料率が保険会社独自に、そして顧客毎に決められることが分かる。

免責条項の適用範囲についても見ておこう。同じくCPAプランのプレミアー・プランでは次のように謳っている。

「事務所は、免許事務所に対する500ドルから500,000ドルまでの範囲内で、プログラムの有用な16免責条項を通じてプレミアム・コストを制限することができます。
総計免責条項はご要望にお応えする有用なものです。0ドル免責条項オプションはCPAバリュー・プラン上有用です。」

③保険会社の権利義務

保険会社の被保険人を守る権利と義務("Right and duty to defend a protected person" )につき、セント・ポールは次のようにいう。やや長くなるが引用する。

「我々は、すべての被保険人を、この契約によってカヴァーされる損失に対する賠償請求(クレーム)と訴訟からお守りする権利と義務を持っています。たとえ賠償請求(クレーム)ないし訴訟の主張すべてが根拠のない、でたらめな欺瞞的なものであっても、我々は、そのような権利と義務を持っています。

我々は、それが正しいと信ずる範囲のすべての賠償請求(クレーム)と訴訟とを調査する権利を持っています。我々は、また、次に挙げた賠償請求(クレーム)ないし訴訟を追行する権利を持っています。

  • すべての適用可能な免責金額範囲内、あるいは
  • カヴァーの有効限度の範囲内。

被保険人を守る我々の義務は、判決または決定の支払いに適用されるカヴァーの限度枠を使い切ったところで終わります。

しかし、あなたの同意書面がなければ賠償請求(クレーム)ないし訴訟の最終決定に合意することはありません。あなたが同意を拒んだら、我々は、提示された決定に対しあなたが同意した支払額以上の支払いは致しません。

賠償請求(クレーム)とは、財産的損害を追及する(seek)要求をいいます。

訴訟とは、財産的損害を請求する民事手続きをいいます。それは次に挙げる事項を含みます。

  • 被保険人が服さねばならない財産的損害の仲裁手続き、あるいは被保険人が我々の同意に服する財産的損害の仲裁手続き。
  • 被保険人が我々の同意に服する財産的損害の和解手続き注29

注29 言語 alternative dispute resolution proceeding を直訳すれば、選択的争訟解決手続きとでもいえようか。和解には別途settlementという言葉があり、今回の資料の随所に出てくる。

これを簡略に列記すれば次のとおりである。

  • 被保険者を賠償請求(クレーム)および訴訟から守る権利義務。
  • 賠償請求(クレーム)および訴訟を調査する権利。
  • 賠償請求(クレーム)および訴訟を追行する権利。

この点は、他の保険会社でも同様である。例えば、先に紹介したCAMICO相互保険会社の会計専門家責任保険証券では、やや視点を変えた「クレームの防御と和解("Defense and Settlement of Claims")」という節で全く同じ定義付けを行なっている。
興味深いのは、前述したように、被保険人に下された判決につき、保険会社がその上訴権注30を持つことである。すなわち、保険会社は、次の場合、本契約でカヴァーされたすべての不法行為に対する訴訟で下された判決について、上訴する権利を有するとしている。

注30 the right to appeal a judgment awarded in a suit.

  • 我々が訴訟につき被保険人を守る場合。
  • その被保険人に判決が下された場合。

詳細はわからないが、訴訟参加ないしは訴訟承継のことを指しているのであろうか。
なお、これが不法行為(wrongful act)の場合に限られていることに注意する必要がある。先ほど、不法行為の列記事項が理解できないと述べたが、この上訴権と相俟った英米法特有の考え方なのかもしれない。但し、保険会社の弁済代位(subrogate)注31の可能性はある。たとえば、CAMICOの「証券条件」の中に「当社が損害を賠償しまたは賠償請求対応費用を支払った場合、その求償権につきすべての被保険人に弁済代位し、被保険人はその権利の保障に必要なこと一切をすることができる。賠償請求ないしは潜在的賠償請求に気付いた後、被保険人はだれも当社の代位権を侵害することはできない。」という文言が見られる。

注31 『弁済代位」というのは、債務者以外のものが債務弁済することによって債権者の地位に代位することである。よく「代位弁済」といわれるのは用語の誤りで、「弁済代位」が正しい。

④保険対象期間

セント・ポールは、賠償保険の対象期間につき「本契約の期間ないし限定報告期間」として、次のようにいう。

「我々は、本契約を、適用対象とされた損失のため、次の場合にのみ賠償請求(クレーム)ないし訴訟に対し適用します。

  • それらが、本契約有効期間内に被保険人に対し初めてもたらされたものであること。
  • それらが、本契約有効期間内、ないしは、もし適用するとすれば限定報告期間内に、我々に報告されたものであること。

我々は、また、本契約有効期間内、ないしは、もし適用するとすれば限定報告期間内に、我々に最初に報告された不法行為に対して本契約を適用する。

限定報告期間とは、証券年度の最終日から始まり、カヴァーされた損失に対するクレームないし訴訟、あるいは不法行為が我々に報告された期間、12ヶ月をいう。」

これが原則である。「もたらされた」は、原語ではmade or broughtである。また、「限定報告期間」は、the limited reporting periodである。
そのほかに、「我々が、最初になされ或いはもたらされた賠償請求(クレーム)ないし訴訟を約因注32する時」とか「我々が、最初に報告された賠償請求(クレーム)ないし訴訟を約因する時」などの例が挙げられているが、報告の趣旨からはずれるので割愛する。

注32 言語はconsider。日本の法制にはない概念で、契約上の債務の対価として供される作為、不作為、法律関係の設定、変更、消滅または約束をいう。

⑤保険範囲

保険の適用範囲については、セント・ポールは「この契約がカヴァーする地域(Where This Agreement Covers)」として次のようにいう。

「我々は、世界中のどこで係わった不法行為であっても、それを原因とする対象損害に対する賠償請求(クレーム)や訴訟を防御し、判決と和解に基づく支払いを致します。賠償請求(クレーム)ないし訴訟がアメリカ合衆国で提起された場合だけでなく、合衆国の主権の及ぶ範囲ないしは所有権の及ぶ範囲、プエルトリコ、カナダで提起された場合も同様です。」

⑥保険限度

セント・ポールは、保険限度額について、次のようにいう。
「次に挙げたものの数の如何にかかわらず、適用概要(Coverage Summary)に示された限度と本条項に規定された情報とが、損害賠償として我々の支払う最大限となります。

  • 被保険人。
  • 起こされた賠償請求(クレーム)ないし訴訟。
  • 賠償請求(クレーム)或いは訴訟を起こした人或いは組織。

さらに、「不法行為ごとの限度」および「総額限度」につき、それぞれ次のようにいう。

「不法行為ごとの限度。これは、単一不法行為ないし概括的不法行為を原因としたすべての適用損害に対して、我々が支払う最大限です。」

「総額限度。これは、証券年度内に最初になされ或いは起こされ、且つ我々に報告されたすべての賠償請求(クレーム)ないし訴訟をまとめた総額に対して、我々が支払う最大限です。」

「適用概要(Coverage Summary)」が入手できなかったので詳細は紹介できないが、一定限度額が予め定められているもののようである。

⑦免責条項(Deductibles) 注33

やはり「適用概要」がないので詳細不明であるが、一応セント・ポールのいうところを引用しておこう。

注33 Deductionは、一律に「免責条項」と訳してよいかどうか分からない。文脈によっては「免責金額」としたほうがよい場合もあり、そのように訳し分けた。

「免責条項は適用概要に記載されており、本条項に規定された情報は、あなたが支払義務を負担する損害の額を定めています。

免責条項は、本契約の追加支払条項に規定された適用範囲には適用されません。

我々は、他の事項を行う合意をしていない限り、あなたのために免責金額の全部ないし一部を支払い致します。我々が支払いをしない時は、我々があなたに支払通知をしたら直ちに再支払いすることにご同意ください。

各不法行為の免責金額。あなたは、単一不法行為ないし概括的不法行為を原因とする適用対象損失すべてに対する本免責条項にもとづき、損害賠償総額に対し責任を負います。」

⑧除外項目(Deductibles)

この保険が適用対象としないものとして次のものがある。個別に見ると興味深いものがあるが、ここでは項目を列挙するにとどめる。

  • 署名チェック
  • 契約責任注34
  • 刑事的、詐欺的、欺網的あるいは意図的不法行為注35ないしは不作為
  • コンピューターのハード及びソフトの開発
  • 受託行為
  • 侵害ないし損害
  • 知的財産
  • ファンド投資
  • 既知の不法行為
  • 特許及び企業秘密
  • 有価証券
  • 条件付サービス

注34 本保険契約で付保された契約以外の契約から生じた損失は適用対象としないという趣旨であろう。
注35 先に理解不能とした保険対象の「不法行為」と、ここでおいう除外項目としての「不法行為」との相違は分からなかった。ここでは「意図的不法行為」の原文"intentionally wrongful act"を紹介しておく。

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