Ⅲ.米国公認会計士の紹介 注3
税務専門家制度の担い手としては、主として、米国公認会計士、EA、弁護士が挙げられるが、弁護士制度は、調査研究の対象外であるので、米国公認会計士、EAである。EAについては、紹介の項目があるので、ここでは、米国公認会計士制度を取り上げる。米国公認会計士制度(研修制度は除く)の紹介は、わが国の税理士制度と比較しやすいように、著者の責任で、AICPAのインターネットのホームページから拾い出し要約したものである。
米国公認会計士
米国公認会計士は、フォーチューン500社の大企業の財務責任者であったり、身近な小企業のアドバイザーでもある。また、大規模或は小規模の会計事務所でも働いている。また、税務、会計を含む多くの分野のコンサルタントとしても活動している。
1.米国公認会計士になるための要件
- 大学の会計学科で150時間の学習単位の取得
- 全国統一公認会計士試験の合格
- 一般的には2年間の会計実務経験
各州ごとに、登録要件が異なっている。例えば、ある州では、試験を合格して認証を受けパブリック・アカウンティングのライセンスを得るための2年間の実務経験を満たさなければならない。他の州では、試験合格と会計実務経験の要件を満たせばよい州がある。すなわち、会計実務経験が試験より先でもよい。また、18歳以上とか21歳以上とかの年齢要件のある州もあるし、居住要件を要する州もある。
カリフォルニア州の要件は、教育要件として、2年間の大学教育。経験要件として、会計学の学位取得、3年間の会計実務経験、2年間のCPA事務所での実務経験。
ニューヨーク州の要件は、教育要件としては大学教育を要件としていない。経験要件として、会計学の学位取得、2年のパブリック或は2年の非パブリックの経験を要する。
登録については、各州のステート・ボード(thestateboards)が行う。
2.業務の種類
パブリックプラクティス(Public Practice)
- 監査
- 保険サービス 保険情報の提供
- 環境会計 環境監査を含む
- 法廷会計 犯罪捜査目的を含む
- 情報技術サービス
- コンサルティングサービス
- ファイナンシャルプランニング
- 税務サービス
- ファイナンシャル マネジメント 会社の財政需要分析、銀行・投資家との交渉やプレゼンテーション
- 財務報告書作成
- 内部監査
- 管理会計
- 非財務ポジション 最高級管理者、重役、社長
- タックス プランニング
- 政府や非営利法人への参画
- 教育
3.税務ポジションの経験年数
- タックス・スタッフ(1~3年) タックス主任かタックス・マネージャーの監督の基で、税金申告の準備、税務質問の調査、税務相談の仕事。
- タックス主任(3~6年) タックス・マネージャーかタックス・パートナーの一般的な指示の基で仕事をする。
- タックス・マネージャー(6年以上)スタッフかタックス主任の仕事を見直す。タックス・プランニングや個人の確定申告。
- パートナーレベルは、CPAの2%。利益分配に預かる。顧客に対する責任をもつ。
- シニアパートナー パートナーのすべての義務を負う。経営へ参画する。
4.給与 (Robert Halfのガイドによると)
経験年数又はタイトル | 2000年給与範囲 |
---|---|
1年未満 | $33,500〜$37,750 |
1年~3年 | $37,500〜$44,250 |
シニアー | $43,000〜$51,250 |
マネージャー | $54,250〜$69,750 |
マネージャーかディレクター | $70,500〜$97,000 |
大学卒業資格がある場合には、5%アップ。CPA資格の場合には、10%アップ
経験年数又はタイトル | 2000年給与範囲 |
---|---|
1年未満 | $29,250〜$33,000 |
1年~3年 | $32,750〜$39,750 |
シニアー | $39,000〜$48,250 |
マネージャー | $50,750〜$66,000 |
マネージャーかディレクター | $63,500〜$85,000 |
大学卒業資格がある場合には、5%アップ。CPA資格の場合には、10%アップ
経験年数又はタイトル | 2000年給与範囲 |
---|---|
1年未満 | $27,750〜$31,500 |
1年~3年 | $31,250〜$37,750 |
シニアー | $36,000〜$45,500 |
マネージャー | $47,000〜$60,500 |
マネージャーかディレクター | $57,500〜$78,250 |
大学卒業資格がある場合には、5%アップ。CPA資格の場合には、10%アップ
注3 AICPAホームページより