Ⅰ.米国の納税者に対する税務援助制度
3.IRS(Internal Revenue Service)の税務援助制度の概要
(1) IRS Taxpayer Education(納税者教育)とは何か
合衆国の納税者に対する税務援助制度についての手がかりは、IRS Internal Revenue ManualのPart21 Cu stomer Serviceの Chapter10 Quality AssuranceのSection6 Taxpayer Education(1999年1月1日現在)に記載されている。
以下、そのマニュアルにそって税務援助の内容やルールを説明することとする。
§21.10.6.1.1 納税者教育とは何か
「ボランティアと教育プログラム」の使命は、合衆国の税の権利及び義務を世界中にいる合衆国市民を援助し、教育し、知らせるために良くトレーニングされ従事しているIRSの職員やボランティアのスタッフに提供し、援助することである。
「ボランティアと教育プログラム」は、税法の基の納税者の権利と義務の意識を高めさせ、納税者の申告書の作成準備をより完全で正確な仕事をすることで納税者を手助けを目的とする、ボランティアの従事を促進するIRSの全施策の一部である。
この教育の手順は、納税者のニーズに対応できる、入念に計画され、開発されたカリキュラムによるプログラムによって、組織的に運営される。
また、これら「ボランティアと教育プログラム」は、政府の措置により、ボランティアの従事する税のシステムやその本質的な役割について、適切なことであるとして高校生やその他の学生に教育するために学校で始められている。
学生はまた、初歩の納税者として学ぶことが適当とされる数種類の税金申告書を完成させる方法を学習する。
他のプログラムについては、われわれ社会の多くの人々が、税金申告準備、カウンセリング及び税の教育の援助を受け入れられるように、ボランティア、ボランティア団体のメンバーやその従事者、州政府の公務員や従業員に利用される。
高齢者、身体障害者、事業者、農家及び英語を母国語としない者は、納税の義務を実行するために援助される。
納税者の教育プログラムを社会に広めるために、国と地方のレベルでボランティアと専門団体との間では関係が確立されている。
「ボランティアと教育プログラム」は、1973年の身障者社会復帰法セクション504(Section 504 of the Rehabilitation Act )に拠っている。この504節は、身体に障害を持つ納税者がIRSの活動あるいはプログラムの利益に預かることができるよう、或るいは恵まれるよう゛機会均等゛を持てることを保証する法的義務を、IRSは負うと規定されている。
1995年1月1日以後に改定或るいは開発されたボランティアと教育プログラムの資料は、"請求があれば"身体障害者のために便宜をはかり、IRSと協力関係にある後援団体により提供されることがふさわしいとしている。
IRSは、税法の解釈や実施に責任を負っているが、またこれらプログラムは、IRSが、これら税法を人々に告知させる義務を持つということを明白に実践説明をすることにより、内国歳入庁IRSのイメージを築き上げる長期的方法として、大いに役立っている。
(2)Taxpayer Education (納税者教育)プログラムの種類
IRSは、次のような種類のTaxpayer Education (納税者教育)プログラムを作成し、実施している。
- Volunteer Income Tax Assistance(VITA) Program
ボランティア所得税援助(ヴァイタ)プログラム - Tax Counseling For The Elderly Program(TCE)
高齢者のための税金カウンセリングプログラム - Community Outreach Tax Education Program
税の教育を実施する社会活動施設プログラム - Small Business Tax Education (STEP) Program
小規模事業税金教育プログラム - Understanding Taxes Program
税を理解するプログラム - Understanding Taxes High School Program & Student Tax Clinics
高校生のための税を理解するためのプログラム及び学生のための税の実地講座 - Bank ,Post Office and Library(BPOL) Program
銀行、郵便局、図書館(BPOL)プログラム - Practitioner Education
実務家教育 - Low Income Taxpayer Clinics(LITC)
低所得納税者相談(LITC)